okiraku-kiraのブログ

人生折り返し地点。

【若かりし頃の話】初めての恋④

キスされる。
顔が近づいてきた時、あんなに胸が高鳴ったのに、唇が触れた瞬間
父の髭の感触を思い出した。


そこからは、何をされても父の顔がチラついた。
ケンジくんを感じたいのに。


全然慣れてないね、緊張してる?


頷いた。
頷くしかなかった。


ケンジくんは、私の頭を撫でながら、今日はやめておこう、
と言った。


私は震えていた。


布団に入って寝る間、ケンジくんは私をずっと抱きしめてくれていたが
緊張と憎悪で私は眠る事ができなかった。